スペインの新型コロナウィルスへのワクチン接種状況と今後の見通しについての新聞記事がありましたので、紹介してみます。
コロコロ変わるワクチン接種状況
毎週のようにワクチンについての変更があり、今後の予測は難しい。最新の決定事項では、アストラゼネカ製のワクチンを60歳以下には接種させないことになった。60歳以下の接種で220件ほどで起きた血栓はこのワクチンの副反応とみるべきであると
発表されたからである。
ヤンセンのワクチンを早々と獲得!
今週のニュースは明るい。ヤンセンの最初のワクチンが30万回分スペインへ届く予定だ。これはEUが承認したワクチンの4番目であり、接種は1度だけでよく、この3ヵ月で550万回分の受け取りを予定している。
ワクチン接種の到達状態
サンチェス首相の発表では、8月末までに人口の70%、3300万人がワクチン接種を終了する見込みである。以下は”現時点での”年齢別接種カレンダーである。
80歳以上の1回の接種は終わりに近い
80歳以上は1回目の接種がほぼ完了しそうな状態だ。 この年齢のスペイン人280万人のうち91,4%がすでに1回目の接種を終了した(伝令RNA、ファイザー、モデルナ)。
50,7%は2度目の接種も終了している。
バレンシア州では100%接種が終了した。バスク州が最も遅れており、76,4%だが、今週末には完了させると発表している。
カナリア州(80%)、マドリード州(81.7%)。
この年齢の人口が一番多いアンダルシアとカタルーニャはすでに98,9%と91,1%が接種し終えている。
州によって2月中旬か3月初旬に接種が始まり、老人介護などの施設入居者から先に接種を始めた。全施設入居者の98%が1回目、90.8%が2回目の接種を終了している。
70代や危険な疾患のある人達はまだまだ。60代は進んでいる
●70-79歳はすでにワクチン接種がスタートした州と、近日中にスタートする州がある。この年齢の390万人のうち13%が1度のワクチン接種を終了している。
例えばアンダルシアでは15万4000人以上、カタルーニャでは8万8000人が1度の接種を終えている) 伝令RNA、ファイザーを接種しており、水曜日にはヤンセンのワクチンも到着する。
●危険な疾患のある人達36万5000人も、70代と同じ枠でワクチン接種する。(カタルーニャ州ではすでに数週前にスタートした)
移植手術予定者、透析患者、ガン患、VIH患者、免疫不全、40歳以上のダウン症が該当する。
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60-69歳は70歳以上よりもワクチン接種が進んでいる(特に60-65歳)。これはこの年齢の人達がアストラゼネカ製を接種してきたからである。
変更がなければ今後もアストラゼネカ製はこの年齢だけとなる。供給が予定通りに進めば、早くワクチン接種が終了するだろう。
2月から320万回分が供給され、今後6月末までに350万回分が供給される予定だが、次の受け取り予定がまだはっきりしない。
この年齢530万人ののうち22%が一度接種を終えた。もっとも進んでいるのがカタルーニャ(31,6%)、次にラ・リオハ (30,3%)。
しかしこの年齢をすべてカバーするワクチンは確保できていない。
60代未満は未定
60歳未満の予定はまだはっきりしない。50代の年齢層は700万人で、12.2%が1度接種済み(教員、警察、医療関係者など優先者)。
高齢者の後になるので、5月前に接種することは難しいであろう。ヤンセンとファイザーが多く手に入ったら進むかもしれない。
25-49歳は1670万人で、10.9%の優先者が接種済み。
この年齢層は”一斉接種”を予定しており、カタルーニャでは6月に場所を借りて、1日に2万人に接種させる模様。
一部の自治州では60-70歳も一斉接種の可能性を考えている。しかしこれはワクチン供給量による。
(注カルメン;16歳までワクチンの話は続きますが、以下省略)
全体の今後の予定
サンチェス首相が表明した今後予定は
・5月3日には500万人が2度のワクチン接種を終了しているはずである。今のリズムでいけば到達しそうだ。
・6月1日には1000万人、6月14日には1500万人、6月19日には2500万人、
8月末までには3300万人(スペイン人口の7割)がワクチン接種を終了している予定だ。
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今の時点はまだまだで、ワクチンができたと国民が気が緩んでいますが、実際には感染者数が増えているし、ワクチン接種できた人は限られています。
本当に上のようなスケジュールで進み、8月末にスペインの人口の7割がワクチン接種を終えられるのでしょうか。供給のスピードにもよると思いますが、注目したいと思います。
●新聞記事は
La Vanguardia記事より一部を抜粋し、翻訳しました。(2021年4月10日)