今だに閉まっている観光地も多いスペインですが、美術館は割と早く再開しました。公立・市立や、本当にお金のある財団が運営しているからかもしれません。ただし閑散としていますが・・。
美術館が現在、とても力を入れているのがオンライン鑑賞です。ネットで無料解説を定期開催したり、ホームページの作品部分をリニューアルしたり、内容が充実してきました。どの作品が一番ビジターが多いですか?の質問に答えた5つの美術館の記事(El Cultural)を見つけたので、
それぞれのトップ10を紹介します!
プラド美術館の人気トップはベラスケスのラス・メニーナス
有名な絵がたくさんあるので人気が分かれそうですが、一番人気はディエゴ・ベラスケスのラス・メニーナス(Las Meninas)です。2位がフラ・アンジェリコの受胎告知。3位がボッシュ(ヒエロニムス・ボス)の快楽の園でした。
3作品とも大変有名ですが、この結果は予想通りですか?意外でしたか?
コレクションが豊富なだけあって、画家出身国も扱う題材もバラバラで興味深いですね。この1年だけの統計かもしれないので、年によって順位に違いが起きるかもしれません。10位までのリストは下をどうぞ!
プラド美術館TOP10
- ベラスケス 「ラス・メニーナス」
- フラ・アンジェリコ 「受胎告知」
- ボッシュ 「快楽の園」
- ゴヤ 「カルロス4世の家族」
- ロヒール・ファン・デル・ウェイデン 「十字架降架」
- デューラー 「自画像」
- ティエポロ 「無原罪の御宿り」
- ルーベンス 「三美神」
- フアン・デ・フランデス 「十字架磔刑」
- ブリューゲル 「死の勝利」
ソフィア王妃芸術センターは想像通り ピカソのゲルニカ!
多くの人が「ゲルニカ」を見たいがためにソフィア王妃芸術センターへ入場すると言っても過言ではありません。想像通り、そしておそらく文句なしぶっちぎりの1位だと思いますが、パブロ・ルイス・ピカソのゲルニカが1位に輝きました。
3位にフアン・ヘノベスが入ってるのはちょうど2020年に彼が亡くなったからかもしれません。
ダリの絵はもっと複数の絵が上位に入ると思っていましたが、意外な結果でした。スペインの画家が多いですが、訪問者が母国スペイン人で、海外の訪問者は少ないのかもしれませんね。
ソフィア王妃芸術センター
- ピカソ 「ゲルニカ」
- ダリ 「窓辺の少女」
- フアン・ヘノベス 「抱擁」(Abrazo)
- アンヘレス・サントス 「世界」(Un mundo)
- ジョセフ・コスース 「1つおよび3つの椅子」
- ディエゴ・リベラ 「花売りの娘」
- ダリ 「大自慰者」
- ピカソ 「ドナ・マールの肖像」
- ミロ「女、鳥、星(パブロ・ピカソへのオマージュ)」
- ダリ「ヒトラーの謎」
国立ティッセン=ボルネミッサ美術館はダリがトップ!2位がピカソ!
ティッセン=ボルネミッサ男爵家の個人コレクションであるティッセン=ボルネミッサ美術館は規模はこじんまりとしているものの、1枚1枚が有名画家の傑作で、見逃せない作品ばかりです。
広すぎないので廻りやすいし、次から次にと御目当ての絵画に出会えます。
ティッセン=ボルネミッサ美術館
- ダリ「目覚めの一瞬前に柘榴の周りを蜜蜂が飛びまわったことによって引き起こされた夢」
- ピカソ 「鏡を持つ道化師」
- ホッパー 「ホテルの部屋」
- ドメニコ・ギルランダイオ 「ジョヴァンナ・トルナブオーニ」
- ルーベンス 「聖ミカエル、ルシファーと反逆の天使を追放」
- ドガ 「緑の服の踊り子」
- ジョージ・グロス 「メトロポリス」
- マグリット 「野の鍵」
- ロイ・リキテンスタイン 「入浴中の女性」
- カラヴァッジョ 「アレクサンドリアの聖カタリナ」
MACBA(マクバ)のトップ10はいかに?
MACBAはバルセロナにある現代美術館で、正式名称は Museo de Arte Contemporáneo de Barcelonaです。バルセロナ市民はマクバと呼んでいます。
建物はリチャード・メイヤー設計で、建物の方が有名で、コレクションはたいしたことがない、などと言われてきました。現代美術が中心で、抽象画やコンセプチュアルアートなどが多いせいでしょうか。
内部展示は常設作品が少なく、中身ががらっと入れ替わる展示スタイルであるのも関連しているかもしれません。
一般受けする美術館ではなく、現代アート好きの人が訪れる美術館です。
美術館
- ハンス・ハーケ 「コンデンセーション・キューブ Condensation Cube, 1965」
- Itziar Okariz 「公共もしくは私的な空間で排尿するMear en espacios públicos o privados, 2000-2004」
- キース・ヘリング 「みんなで一緒にエイズをStopさせよう」
- ホッヘ・オテイサ「2つの3面体の結合によるメタフィジックな箱Caja metafísica por conjunción de dos triedros」
- クリスチャン・ボルタンスキー 「死んだスイス人の資料Réserve de Suisses morts」
- ゲリラ・ガールズ 「女性はヌードにならなければメトロポリタン美術館に入れないのか?Do Women Have to Be Naked to Get into the Met. Museum?」
- バスキア「ズールー王 King Zulu」
- ジョアン・ブロッサ 「牛の頭 Cap de bou」
- ジョアン・フォンクベルタJoan Fontcuberta「動物 Fauna」
- シルド・メイレレスCildo Meireles 「ゼロドル Zero dollar」
IVAM
IVAM(Instituto Valenciano de Arte Moderno)はバレンシアにある現代美術館です。約400点近いフリオ・ゴンサレスの作品を所蔵します。また、スペイン印象派とされるイグナシオ・ピナソの多数の作品と、20世紀のアートを
所蔵しています。トップ10には日本人には知られないアーティストが多いので、ほとんどスペイン語のまま紹介しました。(ごめんなさい!)
美術館
- Equipo Crónica 「パンフレットEl panfleto」
- フリオ・ゴンサレス 「鏡の前の女Femme au miroir」
- Josep Renau「El comisario, nervio de nuestro ejército popular 」
- Andreu Alfaro「Cosmos, 62 (Forma lliure)」
- Carmen Calvo「Has hecho de mí todo lo que querías」
- Aleksandr Ródxenko「Potyomkin」
- イグナシオ・ピナソIgnacio Pinazo 「Amanecer en la escollera III」
- シンディ・シャーマン「Untitled no.91, de la serie Centerfolds」
- シグマー・ポルケ 「無題(見張塔)」
- José María Yturralde: Estructura volante II
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●記事は
El Cultural記事よりリストを一部抜粋・翻訳しました。